年度表記について

2011/10/20 木曜日

「平成23年度」とは、一体いつからいつまでの期間を言うのか。このような年度表記については、私などは意外と厄介だなと思うわけだが、皆さんは大丈夫かしらん?という話。

一般的に、年度の名称はその年度が開始する月の属する暦年が用いられる(Wikipedia「年度」)。例えば、自平成23年4月1日 至平成24年3月31日の事業年度は「平成23年度」と呼ばれる。

企業などの事業年度については、この年度表記の他に「○○年○月決算期」という呼び方がある。上記の例で言えば、「平成24年3月期」となるわけだが、「平成23年度」と表記した場合とでは「年」がずれる。12月決算以外は全てずれることになり、この辺りが年度表記をわかりづらくしている根本原因のように思われる。

また、例えば平成23年12月が開始月の場合、「平成23年度」といいながらも、事業年度の大半(11ヶ月間)は平成24年に属しているわけで、これもまた人によっては違和感のあるところかもしれない。

さらに、株式会社においては、通常、定時株主総会は決算日後2カ月以内あるいは3カ月以内に開催されるが、「平成23年11月期」=「平成22年度」の場合、その事業年度に関する定時株主総会は「平成24年」に入ってから行われることになる。こうなってくると、もうややこしいなあ!という言葉以外は出てこないはずだ。

学校年度に関して言えば、例えば平成24年3月に行われる卒業式は、平成23年4月から開始された年度の締めくくりに行われるものなので「平成23年度卒業式」と呼ばれるのに対し、来春実施される入学試験及び入学式は、平成24年4月から始まる年度に関わるものであるので、「平成24年度入学試験」、「平成24年度入学式」と呼ばれる。

実際の日程としては、入学試験→卒業式→入学式という順番になるので、 「平成24年度入学試験」の後に「平成23年度卒業式」がきて、それから「平成24年度入学式」を迎える形になる。気になる人は気になるに違いない。

卒業式、入学式はともかく、来年受験を迎える方達は、くれぐれも「平成23年度入学試験」用の参考書と、「平成24年度入学試験」用の参考書を取り違えて勉強されることのないよう注意して下さいまし。

http://oshiete.goo.ne.jp/qa/1288297.html

なお、農業における「米穀年度」などのように、年度開始ではなく年度末の属する暦年で年度表記するものも存在する。その他にも、年度末の暦年を年度の表記としている例は、おそらくあちらこちらにあると思われる(私自身、実際にいくつか見たことがある)が、それらが一概に間違いであるとは必ずしも言えないであろう。

ということで、個人的には、国や公共機関のように一律(4月-3月)に年度の期間が定められているものについてのみ「○○年度」という年度表記をし、企業などの事業年度については「○○年○月期」という表記に統一した方がわかりやすいと思うわけだが、いかがだろうか。

 

(望月)