税制改正概観(平成23年度~平成24年度)

2012/01/18 水曜日

例年であれば、前年の12月に公表された税制改正大綱の読解に勤しんでいるはずのこの時期であるが、今年に限ってはそんなわけにはいかない。

昨年の12月は、「平成24年度税制改正大綱」の公表のほかに、「経済社会の構造の変化に~法(平成23年度税制改正)」、「復興財源確保法」及び「震災特例法(第2弾)」が立て続けに公布・施行され、さらに社会保障と税の一体改革の議論が年末にかけて白熱し、社会的な注目を集めた。

年明けの6日に「社会保障・税一体改革素案」が公表されたことで、税制については計5つ(平成23年度改正を二つに分ければ計6つ)の法(案)に対峙せねばならなくなったのである。

この中でも平成23年度の税制改正は、一昨年に大綱が公表された際には超大型の改正として話題になったものだが、承知の通り、ねじれ国会のお陰で年度内成立が果たせず、その後、つながれて、切り離されて、さらに2回の修正を重ね、当初の大綱とはだいぶ姿形を変えて、ようやく昨年末に成立した。

稀に見る波乱万丈の税制改正となってしまったわけだが、 しかし今回の改正で実現しなかった(積み残された)ものに関しては、平成24年度大綱あるいは社会保障・税一体改革案の中に引継がれているので、そういう意味では「平成23年度税制改正大綱」がこれら一連の改正のベースになっているとも言える。

具体的な内容については別の機会に譲るとして、とりあえず一昨年来からの税制改正の流れと各法(案)の主な内容を一覧表にまとめてみた。

⇒税制改正流れ

税制改正一覧

なお、各制度の施行時期(予定)については、「社会保障・税一体改革素案」のP46【資料1】に「税制改革行程表」として概略がまとめられている。

国会のねじれ現象は現在も続いているので、平成24年度改正や一体改革案が平成23年度改正と同じような経過を辿る可能性は否定できないが、現段階で今回の税制改正の全体像についてある程度整理をおくことは無駄ではないだろう。

(望月)