互恵、あるいはWIN-WIN

2008/05/09 金曜日

中国の主席が来日しているとあって、新聞もそれ関連の記事が紙面の多くを占めているが、その中で、「戦略的互恵」という言葉が頻繁に登場している。この「互恵」という言葉、日本ではあまり使われることはないけれども、「互いに恵む」と書くわけで、なかなか良い言葉ではないだろうか。(今回の「戦略的互恵」の内容は置いておくとして)
実は当所の顧問先に、この言葉を社名に入れている会社があり、やはり中国関係の仕事をされている。したがって、私にとっては、実は以前より馴染みのある言葉でもある。
意味としては、スティーブン・R・コヴィーの『7つの習慣』に出てくる有名な「WIN-WIN」と同じで、「互いにメリットのある状態、行為」ということになるのだろう。
そもそも条約や取引などは、互いにメリットがあってこそ成立するものだといえるが、そこに力関係が働き、上下関係や主従関係ができるとき、不平等条約や不平等取引が生れ、WIN-WINの色合いは弱まり、関係は不安定なものになる。
つまり、互恵やWIN-WINが成立するためには、「対等の立場」という大前提がなければならないのだと思う。
(所長)