サブプライムと自衛隊
2008/11/04 火曜日その主張内容はともかくとして、「日本は古い歴史と優れた伝統を持つすばらしい国だから、決して侵略国家ではない」という趣旨の前航空幕僚長の発言には少し驚いた。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/081103/plc0811032325008-n1.htm
「うちの子に限って、そんなことをするはずはありません」という親バカの思考そのままである。親バカならまだしも国の防衛トップがそれでは話にならない。いざ実戦となれば(なっては困るけれども)、「神風が吹くから、日本は負けるはずがない」といって無謀な作戦を実行しかねないタイプに思える。怖い。
ところで、現在の金融危機について、“金融工学”や“金融技術”などを悪者扱いする向きがある。また、“インターネット”や“携帯電話”の社会への悪影響を懸念する声も依然として大きい。
それらは、その利用のされ方次第で、社会に大きなメリットをもたらすこともあれば、逆の作用を及ぼすこともある。デメリット面のみを取り上げて、その存在意義を否定することは、「自動車事故があるから、自動車をなくせ」と言うに等しくフェアではない。メリットとデメリットの比較衡量した上で結論を出すべきだと思う。原子力しかり、自衛隊しかり。
しかし、利用するとしてもそれらの社会への影響度の大きさを考えれば、やはりその管理監督は十分に行う必要があるだろう。まさか「サブプライムローン」という一つの金融商品がらみで全世界の金融システムがこれほどダメージを受けるとは思わなかったが、世の中にはそれほどの威力を有するモノが確かに存在するということだ。それを思い起こさせてくれたことは、今回の金融危機の一つの教訓だったと思う。
そういう意味では、世界第○位の防衛費と言われる我が国の自衛隊について、我々はもう少し関心を高める必要があるのかも知れない。平時、存在感がないとしても(サブプライムだって、ほとんどの人は知らなかった)、有事ともなれば、きっと我々はそれまでは見えなかったその力を実感するはずである。その時になって、その組織を統括する人間の適否を判断しても、もはや後の祭りだ。
(望月)