欠損金繰戻還付制度

2008/12/09 火曜日

自民党税制調査会は、中小企業支援税制として「法人税率の引き下げ」と「欠損金の繰戻還付制度の拡充」を来年度の税制改正に盛り込む方針を固めたらしい。
http://www.asahi.com/politics/update/1208/TKY200812080326.html?ref=goo
しかし、未だに全法人の3分の2を占める欠損法人にとっては、「法人税率の引き下げ」は何の意味も持たない。“景気悪化の影響を受ける中小企業を支援”という趣旨であるならば、黒字企業の倍の数にのぼる、さらに厳しい状況下にある赤字企業にとって効果のある策が望まれるところだ。
そういう点では、「欠損金の繰戻還付制度の拡充」は、昨今の急激な経営環境の悪化の影響を受け赤字になる企業にとって大きなメリットがある。ただ、問題はその適用が開始されるタイミングだ。
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景気ウォッチャー調査の推移をみると、すでに昨年の後半から景気の後退期に入っている。ということは、現進行期に赤字に陥る企業が多くなる可能性が高いということであり、だとすれば現進行期の決算において、繰戻還付制度の適用が可能でなければならない。
通常、法人税の改正は、3月決算法人から適用が開始されるが、今回の繰戻還付制度の適用が来年3月決算からだとすると、来年2月決算までは繰戻還付制度が使えないということになる。もし、そうならば、繰戻還付制度の拡充の効果は半減してしまうだろう。
そのあたり、十分な配慮をもった制度になっていることを切に願うところだ。
与党税制改正大綱は間もなく公表される。
(望月)