節税ビジネスの落とし穴
2016/08/31 水曜日昨年の半ば過ぎからアパートの空室率が急増し、神奈川県では35%を超えているらしい。
また、貸家のサブリース契約に関するトラブルも急増しているとのこと。
これらの背景には昨年施行された相続税の増税がある。
増税された相続税の節税対策として貸家経営が注目され、貸家が急増したことに伴い空室が増えたというわけだ。
また、その空室リスクを回避するためにサブリース契約をしたものの、しばらくして保証されていたはずの家賃が減額されてしまったというのがサブリース契約に関するトラブルである。
貸家を用いた相続税対策は、以前、NHKのニュースでも「加熱する“節税”ビジネス」というタイトルで取り上げられたことがあるが、「加熱」しすぎた結果が空室率の急増、サブリース契約のトラブルということであればなんともはやである。
貸家を売る側の「ビジネス」としては成功したと言えるかもしれないが、それに乗っかり資金を投じて空き家を抱えた客側はたまらない。
上記のNHKニュースが放送された当時、貸家経営が本当に相続税の節税になるのかという問題のほかに、空き家やサブリース契約のリスクについてもブログに書いたことがある。
きつい言い方をすれば、賃貸経営を行えば、それが節税目的であろうとなかろうと、そのようなリスクがあるということは初めからわかっていたことだとも言える。
「節税」という言葉はいつの時代にも魅力的な言葉だが、そこにはやはり落とし穴があることが多い。
おいしい話にはやはり注意が必要だ。
(望月)