税制改正適用時期一覧表(令和5年度版)
2022/12/28 水曜日12月16日に自由民主党、公明党より令和5年度税制改正大綱が公表された。
「第一 基本的考え方」では、現状認識として、平均賃金やGDPの伸びが主要先進国を大きく下回り、新型コロナ、原材料価格の上昇、円安による物価高等が国民生活を苦しめていると述べている。
それでも、日本には、2,000兆円に及ぶ個人金融資産、500兆円に及ぶ企業の内部留保、コロナ前3,000万人超の海外旅行客を呼び込んでいた地域資源などがあるため、「日本社会に希望は多く眠っている」という。
令和5年度税制改正大綱はそのポテンシャルを最大限に引き出すメッセージを具現化したものとのことだ。
ちなみにコロナにより一層加速化した人口減少・少子高齢化についてはあっさりした記述のみしかない。
「第一 基本的な考え方」の章立ては以下の通り。
- 成長と分配の好循環の実現
- 経済のグローバル化・デジタル化・グリーン化への対応
- 地域における活力と安全・安心な暮らしの創造
- 経済社会の構造変化も踏まえた公平で中立的な税制への見直し
- 円滑・適正な納税のための環境整備
- 防衛力強化に係る財源確保のための税制措置
1,4,5は昨年の「基本的な考え方」と同じタイトルで、2、3、4、5は一昨年の「基本的な考え方」に内容が重なる。
となると、やはり6が際立つわけだが、6は今年度の改正ではなく令和9年度に向けて複数年かけて段階的に実施されるものらしい。
わざわざ今年の大綱の「基本的な考え方」に付け加えたのは来年の税制改正の議論を待たずに確定しておきたいということか。
一方で、コロナ対策として給付した桁違いの支出の財源についてはどこにも記述がないことに少々違和感が残る。
現在進行形だからということか、あるいは6の防衛力とは軍事だけではなく疫病に対する意味合いも含まれているということなのだろうか。
個々の改正では、NISAの拡充・恒久化、生前贈与の相続税加算期間の延長、インボイス負担軽減措置あたりが大きな改正といえるだろう。
例年同様、令和5年度の税制改正適用時期一覧表を作成した。
令和5年の部分に注目すると、やはり来年はインボイス導入の年!と総括できそうだ。
(望月)