税制改正適用時期一覧表(令和6年度版)
2023/12/26 火曜日12月14日、令和6年度の税制改正大綱が公表された。
大綱冒頭、四半世紀続いたデフレの結果としての「安いニッポン」から脱却するため継続的に賃金を増やすこと、それがわが国の達成すべき当面の課題だとしている。
今回の改正のメインのテーマもここにある。
「第一 基本的な考え方」は以下のような章立てとなっている。
- 構造的な賃上げの実現
- 生産性向上・供給力強化に向けた国内投資の促進
- 経済社会の構造変化を踏まえた税制の見直し
- 地域・中小企業の活性化等
- 円滑・適正な納税のための環境整備
- 扶養控除の見直し
- 防衛力強化に係る財源確保のための税制措置
今回の改正で最も話題となった所得税等の定額減税は、「1.賃上げの実現」の一項目として括られているが、定額減税がどのように賃上げの実現に繋がるのかは大綱を読んでもよくわからない。
また、定額減税の減税分は来年6月の源泉徴収の際に調整するとしており、そのためにおそらく1回限りの給与計算システムの改修等が必要になりそうだ。
目先の人気取りで行ったはずの定額減税は世論の評価も芳しくないらしい。
税収を減らし、しかも事業者に手間とコストを掛けさせる定額減税はどう見てもスジワルと言わざるを得ないだろう。
ここ数年、税務実務の現場はコロナ対策のほかインボイスや電帳法改正などに振り回された感がある。
毎年行われる税制改正は“シンプルで公平”という方向性を持ったものであってほしいと切に願うところである。
(望月)