直ちに、速やかに、遅滞なく
2012/10/16 火曜日このところ国会周辺では「近いうちに」という言葉の解釈をめぐって、国民の冷ややかな視線の下、熱い議論が交わされているようだが、これに似た言葉として「直ちに」「速やかに」「遅滞なく」という3つの言葉がある。
それぞれの意味、ニュアンスとしては、以下のように説明されることが多い。
- 直ちに ・・・ いかなる理由があっても遅れてはならない。
- 速やかに ・・・ できるだけはやく。訓示的な意味で使われることが多い。
- 遅滞なく ・・・ 合理的な理由があれば多少の遅れは認められる。
また、この3つの言葉の即時性、緊急性の順序については、下記の二つの説がある。
A説:「直ちに>速やかに>遅滞なく」
B説:「直ちに>遅滞なく>速やかに」
裁判例としては、昭和37年の大阪高裁の判決がA説を支持している。
ただ順序がわかったとしても、それぞれが具体的にどれ位の期間を示すのかがわからなければ、実務ではあまり意味がないようにも思うのだが、どうなのだろう。
ま、具体的な期間を示せない、あるいは示すべきではないということで、このような表現を用いているわけなのだろうが。
このあたりは「速やかに」、いや「近いうちに」【要検討】ということにしておこう。
税法でも、この3つの用語は随所に見かける。e-Govにて、(覚えたばかりの)ページ内検索を用いて、主要税法における各用語の使用回数を数えてみたところ、結果は下記のようであった。
通達については、国税庁サイトで1ページ内に条文の全てが掲載されていないため、ページ内検索をすることができなかった。
がんばって数えはしたものの、「で、何?」 という感じも若干するわけだが、素直な感想としては国税徴収法で「直ちに」が多用されているのが何となくイヤ~な感じだ。
それからページ内検索は検索箇所を色付けするだけではなく、検索数も表示してくれるとありがたいと思った。
ということで、なんかすいません。m(_ _)m
(望月)