使わせないための制度設計

2014/09/08 月曜日

「税のしるべ」8月25日号の「この人に聞く」で、「事業承継を中心とする事業活性化に関する検討会」座長の品川教授のコメントが衝撃的!だったのでメモ。

 「事業承継税制はある意味、税収が下がるのを防ぐため、利用させないように制度が仕組まれていた面は否定できない」

こうはっきりと言われると、「ああ、やっぱり…」としか言えないわけだが、それにしても「利用させないように制度が仕組まれていた」という表現はやはりスゴイ。

考えれば、事業承継税制以外にも、「作ったけど、あんまり使うなよ!」という国側の意図が透けて見える制度は他にもいくつかある。

例) 雇用促進(?)税制

新税制の創設には作る側も相当の時間とカネをかけるだろうし、それが成立すれば利用者である納税者や税理士は書籍などを通じて一応それを理解しようとする。

制度創設の際には濫用防止という観点も必要だと思うが、作ったところで使わせる気のないお題目だけの制度であるならば、国側、納税者側の双方にとって、それにかけた時間とカネは無駄そのものである。

(望月)

追記:先日、品川先生の研修会に参加する機会があったが、内容の濃い本当に素晴らしい研修会だった。