税制改正適用時期一覧表(平成27年度税制改正大綱)
2015/01/06 火曜日平成27年度税制改正大綱が昨年12月30日に公表された。
今回は、12月に行われた総選挙の関係で、例年よりも遅い公表となったが、同じく12月に総選挙があり、越年公表となった2年前と比べると早い時期での公表と言える。(ただし2年前は、選挙の結果、民主党から自由民主党への政権交代があった上でのことであるが。)
おかげで我々税理士にとっては、冬休みにいい宿題が与えられた格好になってしまった。
今回の大綱も平成25年度以降の大綱と同じく、「第一. 基本的な考え方」「第二. 具体的内容」「第三. 検討事項」という三部構成となっている。
「第一. 基本的な考え方」の構成及び主な内容は以下の通り。
Ⅰ.デフレ脱却、経済再生に向けた税制措置
1.成長志向に重点を置いた法人税改革
- 「課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる」
- 数年で法人実効税率を20%台まで引き下げることを目指す
- (第1段階)平成27年度改正で、欠損金繰越控除制度、受取配当等益金不算入、租税特別措置等の見直し
- (第2段階)平成28年度改正で、大法人向けの外形標準課税の拡大、各種投資促進税制の取扱い、減価償却費の定額法への一本化、法人事業税の損金不算入化等の検討
- 中小法人課税、公益法人課税等のあり方についての検討
2.高齢者層から若年層への資産の早期移転を通じた住宅市場の活性化
- 住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の延長、拡充
3.投資家の裾野拡大・成長資金の確保
- ジュニアNISAの創設
- NISAの年間投資上限額の引き上げ
Ⅱ.地域創生、国家戦略特区
1.東京圏への人口集中の是正、各地域での住みよい環境の確保
- 地方拠点強化税制の創設
- ふるさと納税の拡充
- 外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充
2. 国家戦略特区
3. 少子高齢化の進展、人口減少への対応
- 結婚、子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設
Ⅲ. 社会保障、税一体改革
1. 消費税率10%への引き上げ時期の変更
- 平成27年10月1日→平成29年4月1日
2. 消費税率引き上げ時期の変更に伴う対応
- 住宅ローン減税拡充の延長
- 車体課税は見直しは平成28年度以後の改正で対応
3. 消費税の軽減税率制度
- 税率10%時に導入
Ⅳ. 固定資産税
Ⅴ. 国境を越えた取引等に係る課税の国際的調和に向けた取組み
- 「BEPSプロジェクト」や「非居住者に係る金融口座情報の自動交換」の国際的な取組みの趣旨の尊重
- 国外事業者が国境を越えて行う電子商取引の消費税の課税対象化
- 外国子会社の所在地で損金算入される配当の外国子会社配当益金不算入制度からの適用除外
- 出国時における株式等に係る未実現キャピタルゲインに対する譲渡所得課税の特例の創設
- 財産債務明細書の記載内容の充実化
Ⅵ. 復興支援のための税制上の措置
Ⅶ. 円滑、適正な納税のための環境整備
- 国外居住親族に係る扶養控除適用の際の親族関係書類等の添付等の義務付け
- 銀行等に対し預貯金情報のマイナンバーによる検索可能な状態での管理の義務付け
- スキャナ保存制度の要件緩和
- 個人納税者の電子申告の際の電子署名の不要化等、電子申告手続きの簡素化
また、例によって、各改正項目の適用時期はまちまちで分かりづらいので、今回も主な改正項目について一覧表にまとめてみた。前年以前の改正で、適用時期が平成27年前後に係るものについても、一覧表に加えている。
[資料]
■財務省
■経済産業省
■総務省
■国土交通省
■環境省
■中小企業庁
■厚生労働省
■金融庁
■農林水産業
■復興庁
■文部科学省
(資料は順次追加予定)
(望月)